5.1.1 電話番号登録
電話番号0〜9に通信相手先電話番号を登録します。ATコマンドやアナログポートに接続した電話機器で発信する時の短縮ダイアル登録として、また「識別着信する」に設定したときの、着信を許可する相手先の登録として使用します。電話番号0〜9はアナログポートとデータポートで共用しています。
5.1.2 識別着信
登録した相手以外の着信を受付けたくない時に「識別着信」に設定します。
この時、電話番号0〜9に登録されている番号の相手の着信のみを受付けるようになります。
識別着信番号がアドレス・サブアドレスともに全桁一致した時に受付けます。
注:本機能をご利用する場合、通信相手は必ずINSネット64お申し込み時に発信者番号通知サービスを「呼毎通知許可」にして下さい。
注:アナログポートで「識別着信する」設定すると、ISDN電話機やISDNターミナルアダプタに接続の電話機・FAX以外からの着信は受付けられませんのでご注意願います。
(アナログ網からISDN網に着信の場合、相手の電話番号が送られてこないため、相手の識別ができず、着信を無視します。)
5.1.3 自己アドレス
INSネット64が提供するダイアルインサービスを利用する時に、ダイアルイン番号を自己アドレスとして設定します。
着信時に着信アドレスと自己アドレスを照合し、自分宛て以外の着信は通信状態にしないようにします。
データポート、アナログAポート、アナログBポートのそれぞれに設定することができます。
入力には数字を使用して下さい。−、(、)は使用しても問題ありません。照合のしかたは次のようになります。
| 着信時のダイアル番号 通知(注1):なし |
着信時のダイアル番号 通知(注1):あり |
||
| 一致 | 不一致 | ||
| 自己アドレス登録:なし | ◯(注2) | ◯ | |
| 自己アドレス登録:あり | ◯(注2) | × | |
注1:NTTのグローバル着信契約を「グローバル着信利用」とした場合、
回線番号への着信はダイアル番号が通知されません。
注2:本装置のグローバル着信応答を「着信する」に設定すると着信を
受付けます。
同じく「着信しない」にすると、着信は受付けられません。
詳しい設定の説明は、3.1.6項をご覧ください。
5.1.4 自己サブアドレス
ダイアルインサービスを利用せずに、自分宛て以外の着信は応答したくない時にサブアドレスを設定します。着信時サブアドレスを照合して通信する/しないを判断します。最大19桁の任意の数字を設定できます。
データポート、アナログAポート、アナログBポートのそれぞれに設定することができます。照合のしかたは次のようになります。
| 着信時のサブアドレス 番号通知:なし |
着信時のサブアドレス 番号通知:あり |
||
| 一致 | 不一致 | ||
| 自己サブアドレス登録:あり | ◯(注) | × | |
| 自己サブアドレス登録:あり | ◯(注) | ◯ | |
注:ただし、本装置のサブアドレスなし着信選択を「着信しない」
にした場合、×になります。
<解 説>
アナログポートの通信の場合、通信相手がISDN電話機やISDNターミナルアダプタに接続した電話機やFAXではなく、通常のアナログ網に接続されている電話機やFAXならば、サブアドレスは使用できません。この場合に電話番号で着信を振り分けるには、3.1.6項で説明するグローバル着信を利用して下さい。
5.1.5 HLC(高位レイヤ整合性)
接続するパソコンやアナログ装置のアプリケーションをHLCに設定して、HLCが一致する相手とのみ通信を行うようにする機能です。
HLCを設定すると発信時はHLCを付けて発信し、着信時は発信者からのHLCを照合し、一致する場合にのみ通信中にします。着信時に一致しなくても通信中にしたくない場合は、AT$A、AT$B(アナログポートのみ)で設定します。
初期状態では何も設定されていません。
データポートは00〜127までの任意の数値を入力して設定します。
アナログポートは「HLC設定する」を選択すると、選択した接続装置(電話またはFAX)に対応したHLCが自動的に設定されます。また、本装置は「HLCを
設定しない」を選択すると、相手のアナログ装置によらずに着信を受付けるようになります。
HLCコードを下に示します。
| コード | 種 別 |
|---|---|
| 01 | 電話 |
| G2/3ファクシミリ | |
| G4ファクシミリ | |
| ミックスモード | |
| テレックス | |
| ビデオテックス | |
| テレックス | |
| メッセージ処理システム(MHS) | |
| OSIアプリケーション |
5.1.6 グローバル着信選択
アナログAポート、アナログBポートに接続された電話機をそれぞれ呼び分けるには、次の3つの方法があります。
(1) NTTの回線契約で「グローバル着信する」にして「追加ダイアルイン番号」を1つ契約し、片方のポートには回線番号、もう1つのポートにダイアルイン番号を登録する。
(2) NTTの回線契約で「追加ダイアルイン番号」を2つ契約し、それぞれに登録する。
(3) それぞれにサブアドレスを登録する。
(2)の方法は月々の回線料金が(1)よりも高くなり、(3)の方法はダイアルイン番号契約が不要なので回線料金はお安くなりますが、相手がアナログ網から発信する場合には、サブアドレスが使えないので呼び分けられません。
最も一般的な(2)の方法を説明します。
<設定>
1)INSネット64契約で「グローバル着信する」にし、「追加ダイアルイン番号」1つ契約する。
2)アナログAポートの「グローバル着信応答」を「着信する」にし、自己アドレスに契約者回線番号を登録する。
3)アナログBポートの「グローバル着信応答」を「着信しない」にし、自己アドレスにダイアルイン番号を登録する。
<動作>
契約者回線番号が(1111)、ダイアルイン番号が(2222)の時の動を次に説明します。
1)契約者回線番号(1111)に電話した時の動作アナログAポートが呼び出されます。
2)ダイアルイン番号(2222)に電話した時の動作アナログBポートが呼び出されます。